法務ネタと資格試験に関する記録帳

関西、IT系ベンチャーで法務やってます。 Adventカレンダー登録を期に新アカウント作成・ブログ開設しました。

襲名式事件??

話題になっているこちらのツイートについて。

 「返事ないなら勝手に使うよ」ってそりゃあ炎上するよなあという感じですが、態度以前に「人の動画を勝手に利用するのは著作権的にNGだろう」というのが問題視されています。

それに関して、弁護士ドットコムがこんな記事を掲載。

www.bengo4.com

要約すると、ツイートに添付されている動画を著作権者の許諾なく使用しても

テレビ局が時事の事件を報道するのであれば、権利制限規定である法41条に該当し違法ではないとされる可能性がある、という内容です。

で、これに対し野田先生のコメントがこちら。

 

襲名式事件て何だろな?と気になったので、せっかくなので簡単に調査。

あと、今回のとくダネ!の動画利用が著作権法41条によりOKになるのかも検討してみました。

 

1.襲名式事件 事案の概要

 平成元年10月4日、TBSがニュース内で以下の二事件を報道

 ① 平成元年10月4日(本件番組当日)、大阪府警察本部が3年半ぶりに暴力団山口組の一斉摘発を行い、組員47人を逮捕し、組事務所など28か所を捜索したこと。
 ② 山口組では、平成元年7月20日、A新組長の5代目襲名式が行われ、新組長の威光を末端組員に対しても周知徹底させる目的で、この襲名式の模様をビデオテープに収録し、その複製ビデオテープを系列の組に配布したこと。

 ②の「暴力団の襲名式の様子を撮影したビデオ(以下「本件ビデオ」といいます)」の影像を放送した点につき、原告は本件ビデオの著作権者が原告であり、TBSがビデオを放送した行為は原告の著作権を侵害するものとして、1000万円の支払を求めました。

 これに対しTBSが、本件ビデオの放送は放送によって時事の事件を報道し著作権法41条を抗弁として主張。(条文の該当部分を下線つけてます)

 

41条「写真、映画、放送その他の方法によつて時事の事件を報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内において、複製し、及び当該事件の報道に伴つて利用することができる。

 

 で、判決は原告の請求棄却という結論になっており、争点である「時事の事件報道のための適法利用の抗弁」については、TBS側の主張が認められています。

 ※本件ビデオが著作物であるという点については、争いがない事実とされています

 ※棄却の理由は41条による抗弁が認められたからではなく、そもそも「原告は著作権を有していない」という点によるものです

 

2.本件ビデオは「当該事件を構成し」ているのか

 広辞苑によると、構成とは「かまえつくること。幾つかの要素を組み立てて一つのものにこしらえること。また、その組立て。構造。」を意味するとあります。ということは、著作物が事件を形成する要素の一つでなければ「事件を構成する」とはいえないですね。

 暴力団の方たちにとって、新組長の襲名は、単なる団体内部の私事ではなく広域暴力団の諸活動にとって重要な役割を果たしているそうです。

 また、本件ビデオの製作及び複製ビデオテープの配付は、新組長の威光を末端組員(系列の団体の構成員)に対しても周知徹底させるために行われたものであり、勢力拡大の動きの一環であると位置付けられていることが認められると。

 要するに、襲名式は単なる式典ではなく威光を示すための重要イベントで、式典を撮影した本件ビデオは単なる思い出作りではなく、記録として残し広く配布することで末端の組員まで威光を徹底させる目的であったということです。

 そうだとすると「襲名式の様子を撮影しビデオを配布した」ことそのものが「時事の事件」であり、本件ビデオはその事件の一部を構成するものであるというのは、違和感のない結論ですね。

 

3.台風動画の転載は違法か

 条文の文言・襲名式事件のいずれをベースに考えても違法だというのが私見です。

 前述していますが、条文の文言が「事件を構成し」となっており、著作物が事件の要素となっていることが法41条により著作権者の許諾が不要となる要件です。今回のケースは「台風」または「台風による被害」という事件を単に撮影した動画であり、事件を構成するものではありません。また、襲名式事件は著作物である本件ビデオがまさに事件の一部という事案であり、今回のケースは射程外だと考えられます。

 

 

コピライト 2017年8月号

現在、会社でBLJとコピライトを定期購読しています。

せっかく定期購読させてもらっているので、多少なりとも還元したいなと。

ということで、読みっぱなしというのはなんなので、届いたらさらっと感想を3点にまとめようと思った次第です。備忘という意味合いも含め。

 

1.知的財産推進計画2017の概要について

 まず、こんな計画があったということを始めて知ったのですが笑

 ざっくりというと、今後は大中小どの企業でも知財の活用は不可欠で、そのためには知財の創造・保護・活用の基盤となる知財制度を整えねばならんと。

 そこで、知財システムの構築、知財活用による地方創生とイノベーションや2020年までとその先を見据えたコンテンツ産業活性化を柱にしていく、という内容です。

 (http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku20170516.pdf

 

 一番興味があるのは「知財システムの構築」の、特にデータの利活用促進のための知財制度等の構築ですね。

 インターネットの発達に伴って、知財の保護というのはとっても難しくなっているわけです。もう当たり前のように行われてるYouTubeでのゲーム実況配信だって、無許諾で行えば公衆送信権(著23Ⅰ)を侵害し違法です。ですが、リーガルに関係ない人は「違法かも?」と疑問を持つところにすら至らないのがほとんどですよね。

 言ったらなんですが、こんな状況で罰則等を強化したところで状況が改善するとは思えません。ではどうすれば?というところでですが

 どうせ厳しくしたって勝手に使われるなら、利用条件(営利目的不可とか)を決めて大枠を作ってその範囲で使ってもらうのが一番望ましいと考えてますし、そういう流れになってきています。任天堂さんのCreators Programなんかはすごくステキだなーと思っております。

r.ncp.nintendo.net

 

 とはいえ、こんなばっちりとしたものを自作できる会社は限られているので、標準的な指針なんかを策定してもらえると事業者の方は助かるだろうなあと思うのです。

 

2.日本のアニメーション100年を振り返って

 日本動画協会・著作権委員の方が寄稿されている記事です。

 こちらも初めて知ったのですが、日本初のアニメが公開は1917年@浅草だそうです。

 内容についてですが、アニメ作品に関する利用許諾について実務的な点がたくさん紹介されています。一次利用と二次利用を区別する必要性、出資された金銭の扱いなどなど。契約書見たりする際に一般的な条件を知っているのは凄く大事ですので、もし今後お仕事をすることがあれば参考にさせていただきたいなと。今のところそんな予定はありませんが笑

 映画と同じで、アニメだって多数の人が製作に携わるんだから権利処理大事ですね。制作委員会とかが絡んでくるとややこしいな...

 

3.コピライトビギナー

 今回は建築・設計図の著作物について。前々号の言語、前号の地図に引き続き、著作物性が否定される傾向強いシリーズ。

 10条1項6項に「図面」と例示されているので、図面である設計図は含まれそうですね。とはいうものの、言語も地図もですが、極めて実用的な表現に対して不用意に著作権法による保護を与えるのは妥当ではありません

 では、どういう図面が保護対象となると判例は判断しているのでしょうか...というお話です。小坂先生が大変コンパクトにまとめていらっしゃるので、あまり引っ張ってくるのはよろしくないのでこれ以上は書けません笑

 気になった方は是非購読してみてくださいませ~

体型に悩む法務パーソンの皆様へ

突然ですが、これ何の写真か分かりますか?

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そう、食べ物の写真! ではなくて

コンビニおにぎり3個分(だいたい1個につき糖質30グラムくらいです)に相当する糖質で食べられる
しょぼんぬセレクトの低糖質ごはんランナップです。

食品 糖質量(g)
辛豚骨ラーメン 18.0
醤油豚骨ラーメン 17.5
バウムクーヘン 11.2
やげん軟骨焼き 0.1
グリルチキン 3.0
ブランパン 4.4
クッキー 5.9
塩キャラメルドーナツ 9.0
ロールケーキ 16.3
ハニーアーモンド 6.2
合計 91.6

弁護士も法務パーソンも、労働集約型の業務であること
業務には正確性が求められることなどなどから、どうしても長時間労働になる傾向があります。
長時間労働となれば、当然夜中にも仕事をすることになり、夜中まで仕事をすればお腹は減るわけです。
ストレスがたまっていると、どうしても美味しいものが食べたくなるわけです。
司法試験受験生の方も、夜中まで勉強をしなければならないときはしょっちゅうあるはずです。
腹が減っては戦はできぬ!仕事や課題を片付けるためにはこれくらい!

...と自分に言い訳を続けた結果、あら体が大変なことに。
という方は少なくないのではないでしょうか?

そんな皆様に、無理せず続けられる糖質制限ダイエットのご提案です。
ポイントは①コンビニの活用②隠れた糖質に注意③我慢しすぎない、の3点です。


1.コンビニの活用
 通常、コンビニといえばダイエットの天敵というイメージです。
 しかし、冒頭の写真を見ればお分かりかと思いますが
 ちゃんと低糖質のものを選べばいくらでも選択肢はあるわけです!

 コンビニのチョイスですが、糖質制限に力を入れている順に
 ローソン>ファミリーマートセブンイレブン です。
 
 ローソンには、小麦の外皮と胚芽部分を使ったブランシリーズがあり、これが優秀です。
 パンなのにとても糖質が抑えられていて、ケーキやドーナツでも糖質10g前後。
 しかも食物繊維たっぷりでお腹が膨れます。これを活用しない手はありません。
 ラインナップも幅広いため飽きにくいというのもいいです。

 ファミリーマートは、宣伝しているとおりライザップとコラボをしています。
 コラボ製品は糖質少なめ。ややラインナップの幅が狭いですが、味はローソン以上です。
 カップラーメンもあるので、どうしてもラーメンが食べたい...なんてときに活躍してくれます。
 
 なにより、手間がかからずいつでも買えるというのが大きいですね。
 食べたいものの我慢だけならなんとかなりますが、それに面倒という負担が加わるともう何ともなりません。
 24時間空いているので、今は買えないから仕方ないという言い訳も使えませんよ!

2.隠れた糖質に注意
 小腹がすいたからおにぎりでも...のおにぎりが曲者です。
 ゆるやかな糖質制限だと、一日の糖質量は160g前後に抑える必要があります。
 おにぎり1個が30gということは、おにぎり5つ食べるとそれ以外は食べられない計算です。
 
 おにぎりってそんなに太るイメージありませんが、要注意食べ物です。
 上記表のとおり、おにぎり3つでアレだけのものが食べられるのです。
 ヘルシーなイメージで通っている春雨やビーフンも、完全にNG食品です。
 買う前には糖質欄に目を通す癖をつけましょう。

 対策として、ちょっとでも糖質量が気になったものは
 ●● 糖質量 でググるというのがありあます。
 これをやっていると「糖質が高そうなのに実はそうでもない」ものも発見できます。
 これで発見したのが、基本NGのお酒でも、ウイスキーと焼酎は飲んでもOKでした。
 乾杯の生ビールから乾杯のハイボールに時代が変わることを願ってやみません。

3.我慢しすぎない
 まずは次の食事だけでOKです。とりあえず「ごはん(麺)大盛り」をやめるところから始めます。
 最初から少な目とか無しにするとストレスが大きいので、嫌になっちゃいます。

 お腹が減ったらちょっとずつ食べてください。足りなければ後でまた買いに行くの精神がとても大事です。
 大概は満足できます。一気に食べなければそれでOKです。
 
 目指す目標は、一日の糖質量「160g」がオススメです。
 本格的なライザップだと一日60gらしいですが、制限が多すぎて続きません。
 ニンジンもNG、プチトマトNG、れんこんNG...なんてストレスかかりすぎてやってられません。
 続いたとしても高確率でリバウンドが待っています。
 サスティーナビリティ大事です。

 あとは心を折られないことです。
 クライアントや上司との飲み会、歓迎会・送別会、社会人には色々と糖質制限の敵イベントが存在します。
 そんなときに「昨日食べちゃったからもういいや」ではなく「良い息抜きになったから明日から頑張ろう」
 とポジティブに考えましょう。


と、他にも色々大事なことはあるのですが
とりあえず優先順位の高い3点をご紹介してみました!

私の体験談をお話しすると、最近会う人会う人に「痩せたよね?」と言われます。
また、高校時代の同級生(女の子)と久しぶりに会って
「痩せてちょっと男前になったねー♪」と言われ、その後何もなかったなんていうこともありました。
忍耐力の低い私でも続いたダイエットですので、皆さんも必ず続けられます!
まずは今日の晩御飯から始めてみましょう!

人材紹介契約のおはなし

定型契約の一つである人材紹介契約について。

NDAとまではいかなくても、結構な数を見ることになると思います。

ベンチャーなら特に)

東京だと紹介フィーを初年度年収の100%取るところもあるらしいですね。

結構な金額になるので、定型契約とはいえ金額については慎重に確認したいところです。

 

さて、その人材紹介契約に必ずといっていいほど入っているのが

「紹介した応募者を選考し始めたけど採用しなかったという場合でも、紹介後1年間の間に採用したら当社の紹介扱いとしてフィー払ってね」という仲介料回避禁止条項(名前は適当)です。

 

要するに、人材会社から紹介された人がいて採用したいけど

人材会社経由で採用すると安くないフィーが発生するから、直接コンタクトとっちゃえ

みたいな人対策で設けられている条項なのです。

人材会社としては、会社根幹のサービスでそんなことやられたらたまったものではありません。

なので、契約書内に見かけないことはまずないという頻出条項です。

 

仮に仲介料回避禁止条項を規定しなかった場合、紹介会社としては被紹介会社にどのような請求ができるかを考えてみましたが

不法行為

→形式的には直接コンタクトをとって採用している以上、そもそも人材会社の被紹介会社に対する債権が発生しているのかどうかが疑問です。ですので、債権が発生してないため権利侵害の要件を満たさず、不法行為は成立しないと反論されると考えられます。

・信義則

→人材紹介契約という契約の性質を考えると、人材会社を回避して直接コンタクトをとる行為は誠実とは言い難いと思われます。とはいうものの、信義則ベースの請求を頼りにするべきではないので、現実的ではありません。

 ...と、あまり有効な感じではないスキームしか浮かびませんでした。

ですので、紹介会社からすると契約書での必須条項ですね。

 

もし回避禁止が規定されていなくとも、人材確保という点ではやるべきではないと思います(最近では紹介会社間でブラックリスト的なものが共有されているなんて噂も聞きます)。

とはいうものの、なんでもかんでも紹介会社の手柄にされると困る場合も存在します。

「人材会社が紹介した応募者を被紹介会社が採用しなかった場合であっても、人材会社の紹介後1年以内に応募者を採用した場合は、紹介会社を経由した採用とみなしフィーの支払義務が発生する。」という条項を例にすると

直接応募や他の会社からの紹介が重複することを考慮し「人材会社が紹介し選考を行った応募者が」と修正すべきでしょう。

 

その他だと、フィーの発生が内定時ではなく入社時となっているか、早期退職時の返金規定に変な制限(退職から5日以内に紹介会社に連絡が必要とか)が入っていないかという点が注意点ですね。

 

早期退職時の返金率については、自社の人事担当と話し合って決めるのでよいかと。

自社の早期離職率が高い場合は返金率高めに設定したいですし、逆もまた然りです。

 

法務は伝え方が9割

法務ってヒアリング能力が必要だよね

と、法務として働き始めた頃から感覚レベルで感じてはいたのですが、最近になって強く実感してきた感があります。

他社で法務をしている友人とも話したのですが、これに関しては意見が割れることなく一致しますね。

 

さて、なぜヒアリングに着目し始めたかという点について。 

一人法務ということもあり、それなりな頻度で顧問の弁護士にお仕事をお願いします。

いわゆる大手の事務所の方なのですがこの顧問が大変ステキな方で、その事務所内でも非常に評価されている若手弁護士です。一人法務の私としては盗めるだけ盗みたい指導役みたい存在ですね。

 

現職に転職して1年なので、その顧問弁護士とのお付き合いも1年くらい。

それなりな期間一緒にお仕事をさせてもらって、盗むにはまず分析だろうということでまずは今まで依頼した仕事のやり取りを見返してみました。

契約書チェック・作成、法律相談、その他諸々の類型をお願いしているのですが、仕事の種類が何であれ全てに共通しているのが「相談したらすぐに細かいヒアリングをしてもらっているな」という点でした。

 

思い返しても、正直若干くどいくらいまでに色々とヒアリングがされているなと。

当初は「そんなことまで聞いてどーすんだよ」とは思っていたのですが、スタンスとしてはそれぐらいの方がいいのかもしれません。

少なく聞いたら再度ヒアリングする手間が相手にもこっちにもかかる上に、聞いたことを全て使わないといけないというわけでもありませんからね。

 

ということで「依頼を受けたらすぐに、ちょっと細かいなというレベルくらいまでヒアリングする」というのを最近実践しているのです。

やる前と比べて、だいーぶ仕事が速くなったなという実感が得られてきています。

ヒアリングが大事である具体的な理由として頂いたリプなのですが

(感覚的な私の「大事」をばっちり言語化していただきました)

 

 

どんな業務にも必須である状況把握を正確に行えば、連動してお仕事の質が向上するのは当然ですし

目標の共有がされれば必要なこと・不必要なことが見えてくるので、仕事の速度が上がるもの当然でしょうし

ヒアリングが重要だという私の感覚は間違ってなかったのかなと。

 

多少余談ながら。

ヒアリングが最初にちゃんとできていればその後の着手が多少遅れても挽回可能ですが、後回しにしちゃうとどうしても全てが後手後手に回っちゃいます。

期限が迫ってきている段階でヒアリングは、そもそも気まずくて色々聞くというのが不可能ということも...

(こういう状況に陥ってしまったときに、いかに「今着手したんじゃないですよ感」を出して場を凌ぐかというライフハックもあるにはあるのですが...笑)

 

ヒアリング大事なのは分かったから、じゃあ具体的にどうしたらいいの?という疑問をお持ちになった方!

 

すいませんまだ上手く表現できないです笑

なかなかばっちりな書籍も見つからず、現状もっと深く分析していくしかないという状況です。

固まってきたらまたご紹介できればいいなあと思います。

 

一応ながら参考にしたことのある書籍をご紹介

 

リーガルクリニック・ハンドブック 第2版―法律相談効率化のための論点チェック―

リーガルクリニック・ハンドブック 第2版―法律相談効率化のための論点チェック―

  • 作者: 丸の内ソレイユ法律事務所
  • 出版社/メーカー: ぎょうせい
  • 発売日: 2016/11/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

がっつり弁護士業務用のチェックリストのため、直接法務業務に当てはめられないですが

ヒアリングと言っても何したらいいのよという昔の自分には、大まかなイメージを掴む上で有益な本でした。

 

他には「法律相談のヒアリングってカウンセリングに似てるよね」という雑な思いつきで買ったカウンセリングの本が意外に役立ったという話もあるのですが、それはまた別の機会に。

 

 

※なお、タイトルにある「9割」の数字の根拠はありません。感覚です笑

本の感想 徹夜しないで人の2倍仕事をする技術三田流マンガ論 ─三田紀房流マンガ論─

 

 

法務に全く関係ありませんが、グッと来るものがありましたのでご紹介です。

ドラゴン桜で有名な三田紀房さんの仕事本で

ビジネスマン(ウーマン)な人にも、予備とか司法試験とかの受験生にもオススメの本です。

 

一本の週間連載でも難しといわれるマンガ界で、二本も週間連載しながら原稿を落とさない三田さんの仕事術が載っています。簡単にご紹介しますと

 

・ 漫画家は締切に遅れてもいいと思ってる人が多いけど締切りは守れ

  →当業界に当てはめてもぴったりですよね...

・ 時間をかければいいものが書けるなんて幻想

  →契約書でも論文答案作成でも同じことだと思います

・ 自己満足のために複雑なことに手を出さない

  →複雑なことはえてして誰も求めてないことが多いですよね

・ マンガを書けるようになりたければマンガを書け。いくら練習しても作品書かないと1銭にもならないよ

  →今日伊藤塾の答練講座申し込んできました...!

 

...などなど。

耳が痛いという方もいらっしゃるのではないでしょうか?笑

 

全部で100ページ前後ですのでホントのスキマ時間で読めますし

何より378円で178円分ポイントが還元されますので、実質200円というお手ごろ価格です。

オススメです~

 

 

 

ストーリーでわかる営業損害算定の実務

初のブックレビューです。

(いざ書いてみると難しいもので...)

ツイッター上で話題にもなっていた書籍ですので、タイトルだけでもご存知の方は多いのではないでしょうか?

営業損害の賠償請求を見据えて、というわけではなく、単純に興味があったので手にとって見ました。一言で言うとオススメです。

 

○ 総評

・ 読み物?書式集/チェックリスト?

  →読み物です

・ 難易度は?

  →易しいが、詳細な解説もあり幅広く対応(後述します)

 

○ 概要

 ある日、主人公の遠出太郎(弁護士2年目、イソ弁)の元に顧問先の社長が相談に来ます。

 顧問先は食料品の卸業を営む会社で、腐敗していた自社商品を取引先スーパーに卸してしまいます。取引先スーパーは腐敗した食品を販売したことで営業停止という損害を被り、主人公の顧問先に多額損害賠償を求める内容証明が届いたとのことでした。

 請求されている金額はどう考えても高すぎると思う太郎でしたが、どういう理屈で請求されている金額を下げればいいのかが浮かんできません。

 そんな頼りない太郎が、大学時代の同期である西野(会計士7年目)とボス弁の飯島先生のアドバイスを頼りに裁判を戦っていく...というお話です。

 

○ 形式的な面への感想

 物語形式で話が進むので、とにかく読みやすいです。ストーリー→解説→ストーリー→解説...補講という順で進み、ストーリーの補足や説明しきれなかった点が解説に記載されています。解説の方が多少細かい話になるので、解説のわからない所は読み飛ばすなり、そもそも1周目は解説を読まないというともありだと思います。この読み方なら社会人でも平日の1日か2日で読めるので、とりあえず1周したい私にとってはとてもありがたい構成です。

 既にある程度知識のある方には向かない印象を受けられたかもですが、最後に「補講」という章が設けられており、会計の専門的な知識に関する記載はここにまとめられています。法務マターからはちょっと外れますが、決算書ができる過程や監査ってどうやるのとか、会計士目線の面白い内容が詰まっています。直接担当することはないにしても関係することは多い業務ですので、こちらも興味深い内容でした。(ここはやや手抜き感がありましたが...苦笑)

 といった感じで、難しい内容は記載はするけど読まなくても本編読むのに何の問題もないよ、というメリハリの利いたスタイルがとてもGoodでした。

 

○ 内容的な面への感想

 自分数学苦手だしな...と思って本書を敬遠してる皆様、大丈夫です!複雑な計算式全く出てこないので、安心して手に取ってくださいませ。高校数学の評価が2~3を漂っていた私が大丈夫と思うので間違いはないと思います(堂々とした感じで)。

 B/SとかP/L読めないと辛いだろうな...と思って本書を敬遠してる皆様、大丈夫です!会計に無頓着な主人公が成長していく物語ですので、本書をきっかけに会計に興味を持つというので全然大丈夫です。

 といった感じで、何かの知識がないと読めないというわけでは全然ありません。

 営業損害の算定だけでなく、訴訟前から訴訟終了後まで一貫したストーリーで構成されているため、訴訟手続きを学ぶのにも役立ちます。裁判官の心証や後々の訴訟追行まで考慮した主張の立て方、相手に対してはどのような証拠開示を求めるべきでどう特定するか、のくだりはとてもいい勉強になりました。若手のときにやってしまいがちなミスやその対策も載っていますので、働き始めの弁護士・法務担当者の方にも役立つ記載があります。

 他には「手続法がイメージできん!苦手や!」と苦しんでいる予備・新司受験生の方にも、全体をイメージするいい参考になると思います。おまけ的ですが、新司H24年民法 設問3は食料品に関するトラブルで損害賠償請求ができるかどうか、という話でしたね。過去問は「できるかどうか」ですので損害額の算定なんてまったく必要ありませんが、「これは『損害』といえるのだろうか」という目線と、損害かどうかを見極める感覚を養うのはとても重要だと考えてます。重要条文である民415に基づく損害賠償請求の要件に「損害の発生」があるので、当たり前っちゃあ当たり前ですが...

 

○ ぼんやりと思ったこと

 「逸失利益の算定って、どうやって性格に計算しているのだろう」と思っていた時期がありました。本書を読み、他にもマーケティングの本やらを読んで分かったのは、利益等の数字を出すときの最終目標は「ある程度確かであろう数字を算出すること」なのだろうなと思うようになってきました。えいやあで算出するわけにもいかないし、かといってぴったりと真実に合わせるのは不可能...ならば、できうるかぎり本当の数字を算定する努力をし、それで決めてしまうということですね。

 あるビジネスから生じるであろう利益が1円単位で正確に算定できるなら、弁護士なんてやっている場合ではないと思います。そんな人はマーケターになった方が数倍稼げると思いますので。

 

 以上、ストーリーでわかる営業損害算定の実務のブックレビューでした。購入を悩んでいる方や考えている方は、気楽な感じで買ってみることをおススメします。

 

○ 余談

 完全に勝手な妄想ですが、会計面に疎い太郎を支えてくれる大学同期の西野さんは、こんな感じのショートヘアできりっとした美人だと決めつけています(女優の波瑠さんです)。

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 そして自分を主人公に重ね合わせれば、本を読む手も進んで仕方がない...かもしれません笑