リーガル・レバレッジ

リーガル・レバレッジ

コンサルに転身した元企業法務パーソンが、自分の市場価値を上げようと模索する日々を綴ります。

2021年の振り返り

やや遅きに失した感もありますが。今年のことを考える前に昨年の振り返りを記録しておくのがよかろうと思い、書きます。転職初年度だったので転職希望の人のお役に立てると嬉しいですね。

 

4月 転職

ちょうど去年の今頃です。マイネットがFC琉球のメインスポンサーとなるニュースを見て、こんなことをツイートしていました。

 

大体ここから1か月くらいでしょうか。転職決定まで。翌日に人事の人からコンタクトがあり面談して面談してあれよあれよで。転職経路なんて何でもよかろうと思っていましたが、まさか本当に自分がTwitter経由で転職することになろうとは。

 

ちなみに「何経由でマイネット知ったん?」との質問には「ゲーム業界繋がりで」と濁しています。結婚式定番の馴れ初め紹介で「街コンで」「マッチングアプリで」が「共通の趣味で」に置き換えられるのと同じ現象でしょう。
SNSによる犯罪ニュースを見て「ネットで知り合った人に会うなんてほんとに信じられないわあ」と呟く母を直視できない日々です。

 

コンサルタントへのジョブチェン前に「二度と法務はやらない」と固く心に誓ったのですが、ちょうど求められているのが法務だったこともあり、一度法務職に戻ることになりました。

前職時代に学んだ

「まずはやりたいことよりできること」「徹頭徹尾人の役に立つところから」

の精神を体現した形になりますが、これが大当たりでした。良い判断だったなと。

 

9月 初のM&A経験

「MA案件やりたいとはぼんやり思いつつも、そんな機会が巡ってきそうな気配すらない」。法務パーソンあるあるではないでしょうか。私も同じ立場でした。コンサルタントやっていても、運に恵まれないとなかなか関与できる案件ではありません。
アサインしてもらえる実力ももちろん必要です)

 

それがまさかまさか。入社から一年たたずに、よりによってスポーツチームへの経営参画案件が舞い降りてきました。これを幸運と言わずして何と言うのでしょう。自分の背中に強い追い風を感じました。

 

マイネットとしては、FC琉球との業務提携を通じて得た手ごたえを基に、本格的にスポーツ事業に参入することとなりました。次のメガトレンドは「既存産業のデジタルトランスフォーメーション」として、クラブDX事業として注力しています。

ゲーム会社なのにゲーム開発をしないマイネットのスタイル上、今後もMAや事業譲渡案件はたくさん出ます。職務経歴書にきらりと光る一文を載せたい方、ご連絡お待ちしております!

 

12月 「法務職」へのスタンスが固まる

法務割合をゼロにする必要はないものの、関与割合は減らしたいなと思いました。法務職に対する自分のスタンスが確立した一年でもありました。

ここ一年の自分の気持ちとしては

転職前「法務は二度とやらない」
→4月 お役に立てるなら最初だけは
→8月 腰を据えてみてもいいかもしれない
→10月 やっぱりフルコミは違うわ
→12月 多くても5割だな
と変遷しています。メンヘラみたいですね。


まずはお役に立てるところから理論で法務に戻ったのは前述のとおりです。手ごたえを感じていて、周りから評価してもらっているのもありがたい限りです。
一方で、重要なポイントで「自分に合わない仕事だな」と感じたのもまた事実。

単発の対応が多く積み重ねが難しいこと、どれだけきれいに表現しても結局は「下請け何でも屋さん」の域を出ないこと、とても身近にスポーツビジネスに触れられる機会があるのに間接的にしか関与できないこと、が主な理由です。

最近読んだ法務の本に「法務は会社のビジネスに線路を引く仕事」とあり、良い得て妙だなと思ったのが記憶に残っています。自分では走らないですもんね

ややネガティブな締めになりましたが、法務にフルコミではなくMultiplierとして向き合っていくスタンスだっていくらでもあり得るはずです。同じスタンスの方とご一緒できるといいのになあと思うものの、なかなか見つかりません。

さいごに

幸運や環境に恵まれ、転職一年目とは思えない良い時間を過ごせました。
あと3か月で転職一年が経ってしまうので、定常業務は全部軌道に乗せられるようにしつつ、全社課題へのアプローチやビズサイドへの進出を頑張る年にしていきます。体だけは壊さないように頑張っていきましょう。

法務業務の可視化と図解

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この記事は、法務系 Advent Calendar 2021 12月25日のエントリです。 

 

図らずもトリを務めることになってしまった中川です。
当初は「法務をやめた人が法務に戻ってもやれるのか(意外にやれる)」をテーマとする予定でしたが、トリにしては地味だな...と思い方針転換。

ぱっと見で華やかに→パワポ使うか
法務の人がよく課題感を持っていること→図解だな
トレンドなこと→アドベントカレンダーで可視化の話がよく出てたぞ

の3点から、法務業務を図やパワポで可視化するために何をすればよいか、をテーマにすることとしました。

そしてせっかくのクリスマスなので、プレゼントとして私が法務業務でよく使う図形や参考例パワポもダウンロードできるようにしました。業務に活用してもらえると嬉しいです。

それでは本題行きましょう。

1.図解が法務のお仕事に活きる場面

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そもそもとして、図解ができたとして法務業務に影響はあるのでしょうか。言い換えると「ワードで文書作成」が主な仕事の法務パーソンに「パワポで図・イメージを作成」は不要な可能性があるのでは、との疑問がありますね。


問いへの答えとしては「図解ができなくても法務業務はできるけど、できるととっても捗る」です。

図表現の最大の特徴は「大枠での把握ができる」点にあります。説明方法としては、聞いてもらいやすくかつイメージを合わせやすい。記録方法としては、スピーディーにメモができてかつ記憶喚起が容易。良いツールだなと。


法務パーソンのお悩みに
「事業部の人が話を聞いてくれない」
「依頼者と考えていることがあっているか不安」
「案件記録はしないといけないが手間をかけたくない」
はとてもよく聞くところで。このあたりのお悩みに刺さり倒すな、が実感です。

コンサル時代から「図解で表現できれば法務業務が捗るのでは」と仮説を持っていましたが、いったん法務に戻って仮説が正しかった手ごたえを得ています。

具体的に、図解が主に活躍している場面としては
・契約スキームの認識合わせ
・プロジェクト型業務での分析・PMO
・計画立案・実績報告
の3点。


特に契約スキームの認識合わせで活躍していることが多く、ちょっとでも案件が複雑になればすぐに登場させています。(全件やっているわけではありません。ややこしいな…と感じた時だけです)
ヒト・モノ・カネ・情報(権利)の流れと繋がりさえ分かってしまえば、書類への落とし込みは容易ですね。

プロジェクト型業務や予実報告でも使えます。というか、こちらの方が本来的な使い方でしょうか。

裏ACでは「評価=実際のパフォーマンス×見せ方」をテーマに可視化の大事さを書きました。記録に残す・読んでもらう(理解してもらう)ための可視化で、表現ツールとしては図が優れています。おすすめです。

2.なぜ法務の人は図解が苦手なのか

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Twitter上で「図解ができるようにならないとな…」とつぶやいている方、よく見かけます。一方で「自分は図解が得意です」と話す法務の人は見たことがありません。セミナーや登壇資料でもパワポを適切に使えている方もほぼいません。
自分も昔はバチバチに苦手でした。これはなぜなのでしょうか。


理由を一言でまとめてしまうと「レーニングしていないから」です。これに尽きます。
①インプットした情報を基に②思考/処理して③表現する、の流れは契約書の作成もパワポの作成も何も変わりません。

「私契約書作るの苦手なんですよね…なんでですかね…」と法務未経験の人が悩んでいたら、声をかけるはずです。「そりゃそうだよ」と。これと同じです。


繰り返しになりますが、表現に至るまでのプロセスは「インプット→思考/処理→表現」です。
文章で表現するか、図で表現するかで途中のプロセスも変わります。法務パーソンはパワポ作成や図解が苦手で当然な面が大きいです。そのためのインプットや思考に慣れていなければアウトプットは必然的にガタつきます。


つまり即ちですが、最後の表現における些末なこと、いわゆるテクニック部分だけ磨いても意味がありませんSNSでよく見る見られる文字のサイズは●ptとか、フォントはXXにすべきだ…の話のことです。
一般的なもので揃ってりゃ何でもええのだわ、くだらな、と思いながら見ています。個人の見解です。

改善すべきは図解のための「思考」と、思考から逆算したインプットです。兎にも角にもここが最重要ですね。

3.図解を習得するために何をすべきか

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上記で「図解が苦手」を解決するためには、図解に向けた思考を磨くべきだ、の話をしました。
最後に、解決に向けた具体的なアプローチを書きます。私が色々試行錯誤した中で、これは意味があったな、これはなかったな、と思ったものを書きますね。


■やるべきこと

①基本動作・思考を抑える
俯瞰して、分けて、並べる/繋げる。言いたいところにだけ1色を使う。分析の基本ですが、図解にも丸ごと当てはまります。

パワポは分析した結果を表現するツールなので当たり前な感もありますが、この動作は本当に本当に重要です。最初の第一歩、一丁目一番地…言い回しは何でもよいのですが、これが全ての起点になるポイント。できないと何も始まりません

並べる繋げるは構造化なので、法務パーソンはできるはず。俯瞰と分けるが大事で、特に俯瞰が大事です。全体感を掴めない図やパワポの価値はとても低いので、気を付けたいところです。

「分析」自体は別テーマですし、語り始めると文字数が足りません。別記事に譲りますが「分析ができれば図解もできる」ぐらいの位置づけであることは覚えていただきたいです。

②型を抑える
形式ではありますが、図解にも型があります。参考資料として記載したカタログの図形以外使わない、ぐらいの気持ちで実践してみてくださいませ。使う図形に悩む時間はムダ以外の何物でもありません。その時間は思考に回すべきです。

③1枚で勝負する
長編がストーリーになって全体の繋がりが明確、なパワポを作るスキルはとても特殊なスキルです。単発の図解ができることと、パワーポイントを成果物として納品できることは全くの別物。

そして法務パーソンに長編パワポ作成スキルは必要ありません。図解の目的はあくまで「法務業務を捗らせるため」であり、目的以上のクオリティもムダでしかありません。自分の実体験でも、議論の土台や記録にするための一枚が作れれば必要かつ十分。(プロジェクト型業務は例外です)

また「勝負する」もポイントですね。実際に作らないと絶対に上手くならないので。


■やってはいけないこと

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最後に、やってしまいがちだけどやってはいけないことを書きます。無益どころか有害なレベルのものに絞って書いていますので、ぜひ気を付けてみてください。

①図以外を書く
原則として「図」以外は書いてはいけません。図解なので当たり前です。以下、図解やパワポに書いてはいけないものの典型。

・長い文章
→箇条書きを超える文章はNGです。文章を書くのであればワードという適切なツールがあります。パワポの「テキストボックス」も例外的にOKな位置づけ。法務パーソンが本当にやりがちなNG動作なので要注意です。

・写真、アイコン、イラスト
 →重要なのは「思考」結果である、と何度も繰り返しています。思考の表現でないものを使ってはいけません。

 →また、他にも大きな問題として「探す作業で失う時間」「再現性のなさ」があります。「良い図はないかなー」とWEBを漂う時間があれば考えることに使うべきですし、何より欲しいクリエイティブが見つからなかった場合はどうするのでしょうか。仮に運よく見つかったとして、次回も見つかるとは限らないはずです。「会社」を表現したいのであれば「会社」を箱の中に書いてしまえば5秒で終わります。

②いきなりパワポいじりから始める
新人時代に「契約書のいじりから始めるな」と口酸っぱく言われた記憶はありませんか。同じです。「まずは思考から」は絶対に外してはいけません。
スタートのオススメはホワイトボードです。iPadでもよいですが、ホワイトボードの小回りには勝てません。あと画面が小さい。小さい画面からは小さい発想しか出ない、は本当です。

③変にオリジナリティを出す
これも新人時代に言われた記憶はございませんか。既にある資産は最大限に活用しましょう。車輪の再発明に意味はありません。
まずは人の資料を探すところから。〇〇 図解 の検索は想像以上に有益であることはもっと広まっていいと思います。


ここまで見ていただいた方には「あれ、これ法務の仕事や契約書作成でも一緒だな」と感じられたのではないでしょうか。
ご理解のとおりです。職種を問わない仕事の基本なのでしょうね。

 

さいごに

ご覧いただきありがとうございました。このエントリが読者の方のお仕事効率を上げる役に立てればとても嬉しく、図を活用していただけるように、張り付けた画像の元データ+おまけの作例集を集めたパワポファイルをプレゼントします。何せクリスマスですからね。

ダウンロードはこちらから。

※クリスマスプレゼントなので、25日の日付が変わったらリンクは消します

※無料配布物なので、私が一切の責任から免責されることに同意の上ダウンロードしてください。変なウイルスとかは入れてません。

 

これにて、表のLegalACは無事感想となりました。よかったよかった。
幹事のkanegoontaさんに感謝しつつ、締めたいと思います。それではよいお年を!

 

付録

本当に付録扱いですが、これは参考になるな...と思った良い資料を載せていきます。

 

コンサルティングファームの成果物

平成26年度知的財産権ワーキング・グループ等侵害対策強化事業
(コンテンツ分野における商標権、著作権等の管理・活用に関する実態調査)
さすがのATカーニーさんです。
レポート部分は図ではなく定量調査の結果なのでパス。20P以降は使えるページが多い。



日本のスタートアップの現状と今後の展望

これもよい。とっつきやすいテーマでは。

 

マイネット決算資料

手前味噌で大変に恐縮ですが、参考になる資料なのは間違いありません。

シンプルな分、上記コンサルティングファームの資料より実用的です。おすすめです。

法務の人がリモートワークで信頼を失わないためにやるべきこと3選

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本記事は、裏 法務系 Advent Calendar 2021のエントリー5日目です。

株式会社マイネットの法務で働いている、中川です。京都から東京へのフルリモートで勤務している中で気付いた「リモートワークで失敗しない働き方」について書きます。

「リモートになって評価が下がった」「会社はOKなのに自分だけリモート禁止措置が出た」なんて事態を避けたい方のお役に立ちたい狙いがあります。よろしくお願いします。
 
簡単に自己紹介をしておくと、マイネットは東京の会社ですが9割方は京都の自宅で働いています。
残りの1割で、必要に応じて東京・青山の本社や滋賀(レイクスターズ)、遠くは沖縄(FC琉球)に滞在したりします。
我ながら不思議な働き方をしています。
 
コロナ禍真っただ中の2021年4月にマイネットに転職して7か月くらい。
自分の現状を一言で表すと「良い感じ」にできています。周囲からステキな評価やお声を受けることもしばしばあったり、引き続き募集している法務求人の勤務地に「リモート:相談可」の文字が消えてなくて、ホッとしたり。
難しいと言われるコロナ禍転職で自分の想定以上に好調な滑り出しができています。

良いスタートを支えてくれた自分の取り組みの中で、これは本当に大事だったなと感じる3ポイント

①適切な情報共有
②コミュニケーションの取り方
③パフォーマンスの維持方法

をご紹介します。

 

何より重要なのは①(割合で70%くらい)なので、時間がなければ①だけでも読んでもらえるといいと思います。それでは本題いきましょう。

 

①適切に情報を共有する

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番号①なので、一番大事な話をします。私がやったことはシンプルで

・自分が何をする予定で
・何を考えて何に悩んでいて
・何をしたか

を、ひたすらチャットに残して(グループ全体板に投下して)います。狙いは「上司や同僚を不安にさせない」です。共有=ナレッジやセミナーのレポートだけではありません。

 

人は「分からないこと」に大きな不安を感じ、不安を感じることが大嫌いな生き物です

「クライアントさんを不安にした時点で負け」は、コンサルタント時代に得た大きな収穫です。

不安を与える人のアウトプットは全て疑いの目で見られることになり、本来スルーされていたはずの軽微なアラや漏れにまで指摘が入り、手間が増えクオリティが落ちる悪いとても悪いサイクルが始まります。逆も然りですね。

「この人は大丈夫」と思われるのか「こいつは要注意だな」と思われるのかで、世界が変わります。かの有名なハーヴィさんの名言にもあります。「今じゃ何時に来ようが誰も俺の能力を疑わない。第一印象が全てだ」と。

 

リモートワークで「最後のアウトプットさえ良ければなんでもいいでしょ」なスタンスは、気付けば信頼を失うリスクを抱えるとても危険な行為です。改善すべきです。

(法務は専門性が高く複雑な仕事だから説明が...みたいな言い訳も不要です)

 

「適切な」情報共有の適切具合が難しいかと思います。細部に入りすぎるのはNGで、見てる人も自分もめんどくさくて続かないので。ご参考に、ちょっとだけ私がやっている具体例をお話しします。

■全体像・現状・相談を書くパターン(例:契約書レビュー)
STEP1 〇〇部のXXさんと認識合わせる(今ここです)
→聞いておくことは■と▲のつもりですが、他ありますでしょうか。
STEP2 レビュー作業
→A案件で使った契約書ベースで行く想定ですが違和感ありますか?
STEP3 XXさんに戻し、取引先とコミュニケーション
→期日★日までなので余裕ありです。

■一日にやったことを報告するパターン
MTG
・法務定例
 悩み事系が流れて相変わらず助かりました。
【法務業務】
・XXの件
 良い感じに捌きました。良い感じでした
・XX契約
 必要データ収集済みです。来週どこかでMTGしてきます
【PJ・その他】
・経費精算
 手間取りました...
・勤怠月次処理
 完了しております。承認よろしくお願いします(ToXXさん)。

※基本的に毎日終業時にやってます

今ここです。困ってることは...ぐらい。1行で十分。気になったところは聞いてもらえばOKです。公開の場で書けることのため大変簡素化していますが、イメージは上記。プロジェクト系だと要素分解した結果やタスクまで書いたりもしています。

お仕事の全体は●●で、今ここで、次はXXをします。を簡潔にまとめられる人は神です。ちょっとしたイベントでも手短に共有してくれる人は聖人です。自分が人にお仕事を振り分ける立場になって痛感しました。

 

②対面コミュニケーションの場を大事にする

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リモートで姿を見せられない以上、接触する機会の質と回数には気を配っています。自分が特に気を付けているのは

・出社時のスタンス
出社時にワークしないよう準備する(作業は家でできても対面は家でできない)、話しかけられやすい場に出る、一人でご飯食べない

・WEB会議
発言はとっても大事、リアクションもすること、カメラをオフにしない、サマリだけでも良いのでメモを書く

・会話時のふるまい方
明るく前向きに(大前提)、否定するときは言い方に気を付けて、

あたりです。

 

出社する機会が限られるのであれば、機会を活用できるよう準備しておくとリターンがある上に周りからの印象も変わります

法務に限らず管理系部門はこもって作業が多く、何をしているか分からないと思われがちです。

①で書いた「情報共有」がめんどくさいなら、せめて見える場だけでもポジティブな印象を与えらるように気を配ってみるのはいかがでしょうか。

 

③パフォーマンスを維持する

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正直に言ってしまうと、在宅中のパフォーマンスなんてオフィス勤務の6割くらいです。受験勉強が家で捗ったことなんてなく、集中できる場で働くことの重要性を再認識。リモートが始まって「オフィスに行きたいなあ」と思ったことが増えたのは皮肉だなと。

とはいえ、言い訳ばかりしているわけにもいきませんし、仕事は集中力だけで進めるものでもありません。失った集中力を補うために自分がやっている施策一覧のご紹介です。

・機材を整える
個人的に圧倒的3種の神器は、34インチウルトラワイドモニター、キーボード、Wifi6規格対応のルーターでした。ノートPCは中身しか使わず、せいぜい一時ダウンロードファイルをデスクトップに置くくらい(一日の終了時に全部消す)くらいの位置づけです。

神器の中でも特にウルトラワイドモニターが強いので、ぜひ。法務の人は34インチ以上が必須。29インチはワードが見にくいので結構つらいところでした。

・メンタルを整える
最重要ですが、スマホは仕事部屋に置いてはいけません。別室の棚の奥あたりがおすすめです。また、一人でいると陰鬱な気分になるのでリフレッシュも効果的でした。行ったことのないお店でランチ・お茶してみる、久ぶりの大学同期とオンラインゲームなどなど。「日常に一つ新鮮な要素を加えてみる」があれば何でもOKです。

・フィジカルを整える
通勤がなくなると「今日本当に動いてないな」と思う日が増えます。テニスやサッカーなど趣味の運動がベストですがコロナで難しいため、散歩や筋トレでも大丈夫です。メンタル改善に効きました。

 

最後に

周りを見ていて思うのは、リモートワークが減らされるorなくなってしまう原因のほとんどは管理側の不安によるもので、不安の大元は「何をしているか分からない」「きちんと働いているのか分からない」のどちらかに集約されています。

周囲からの評価=実際のパフォーマンス×見せ方であり、リモートワークは「見せ方」の変数をどういじるかがとっても大事だと感じています。見せ方をネガティブに大きく変動させるのが「不安」のため、気は配れるだけ配る価値はあるよな、がここ半年で得た実感です。

 

目に見えた結果を出しにくいコーポレート部門で、その中でも特に何をしているか分かりにくい法務パーソンです。実際のパフォーマンスが「100」でも見せ方係数が「0.1」であればトータル10点しかもらえず「もう出社してよ」との流れになるのも不思議ではありません。
「上のヤツは分かってないよなあ、ホント馬鹿だわ」と愚痴をこぼす前に、自分でやるべきことがあるかもですね。やるべきことをやりきっても「リモートだから」の一事で評価を下げてくるような会社なら、転職する方が早いだろうなとは思いますが。

 

以上です。
みなさまの快適なリモートワークの一助になれば幸いです。

 

次は、法務からジョブチェンした繋がりのぼっち法務さんです。
よろしくお願いします!

 

有給取得は悪なのか

「悪なのか」と問いを立てておきながら、悪なわけはないのですが。

ぽろっと有給に関するテーマをつぶやいたところ反応を頂き

皆さんのエピソードを聞いているうちに、発見や自分の過去が頭に浮かび筆を取りました。

 


まずは発見のところですが、時代のトレンドは本当に変わったなあと感じました。

QTやTLを含めて「同じ意見」「自分もそうしている」とのツイートがありました。

自分が新卒だった10年前だと、さすがにここまで意見が揃うことはなかったのかなと。

(私の属性が法務であることを考慮しても)

 

当然の権利として周知が進んだこと、売手市場で労働者側の立場が強くなったことなど、原因としては色々考えられます。なんにせよ良いことです。
30歳を超えて休むことの重要性を再確認する日々ですし。
根性論は長続きしませんからね...

 

 
で、もう一点。

「有休取得にあたって同僚に迷惑をかけてはいけないのか」との論点があり...ません。
人に迷惑をかけずに休むなんてこと自体がありえないからです。

 

全ての知見を共有するなんてできないうえに、

どれだけ厳密に引継ぎをしても案件は日々発生するものであり、多少なりとも迷惑はかけてしまいます。

ただ、自分だって休む時は休むし、休暇に限らず迷惑かけるときはかけますよね。

 

欠けた分のリカバリーは、不在時含めてチームで引き受ける前提やってますねん。

なので迷惑がどうとか気にしなくていいです。

1日どうのこうのでなく、在籍期間トータルで貢献できるかどうかでしょう。

 
最後なので自分の過去の話を。

 

定時後の清掃活動、しかも「感謝の思いを持って」「無給の」サービスごみ捨てを強制されていた時期がありました。

そもそもこの時点でクレイジーな話ですが、なんと有休を取ったところ

「お前が有休取ると誰がごみ捨てすることになると思っているのか。代わりに対応した我々に菓子折り一つ持ってくるぐらいの謙虚さはないのか」

と罵倒されたことがあります。NGワードモリモリの数え役満みたいな話。

仮にも法務に携わる人間の言葉とは思えないですよね。

 

「世間のトレンドは変わっても、あの人たち変わってないんだろうな。やっぱり辞めてよかったなあの職場」

と噛みしめた夏の一日でした。


「申し訳ありません」なんて言わなくていいし、同僚に菓子折り持参の必要なんて全くないので

休むべき時は休んで、パフォーマンスで応えましょう。同僚が困ってるときに力を貸しましょう。

健全なチームってそういうものだと思います。

プログラミングはコーポレート業務に活きるのか

表題はよく話題に出るテーマ。自分もプログラミングを学んだことがあり、よく聞かれる。

「自動化で雑務を減らせたりできますよ」

世に溢れる回答はこんなものばかりで、私もよくこう答えていましたが、どうもモヤモヤしていたところ

本日視聴してきたデジタルCFOセミナーがモヤを解消してくれたので共有です。

問いへの答えを「データフローを理解して事業に貢献するために活きる」に改めました。

 

プログラミングを学ぶメリットを考え直す

プログラミングが雑務を減らせると聞けば「そりゃそうだろう」とは思うものの、次のアクションにはつながらない。

聞き手としては「有限であるリソースを費やす価値があるかどうか?」を知りたいのであって、ぼんやり役に立つかどうかが聞きたいのではないはず。
(せっかく興味を持ってもらってるのに話題が広がらない苦い思い出...)

 

業務効率化を否定したいわけではないです。メリットの一つであるのは間違いない。

ただ、それは聞き手の人も知っていることで興味の対象ではないでしょう。それに「片手間プログラマーができる効率化」の効果なんてたかが知れている。

もっと広い観点で話をしましょう。

 

自分の経験や書籍などを通じて、非エンジニアがプログラミングを学ぶメリットは以下の3点と考えています。

①業務を効率化できる(自分でコードが書ける)

②機械化できること/できないことを知ることができる

③データの扱いを理解できる

 

①の重要度が落ちるのは上で述べたとおりです。

②はキャリア戦略を考えるうえで大事なのですが、キャリアと仕事は別です。

③が大事って話です。

 

自分でコードを書けるようになり、ぼんやりと「データの流れが分かるようになったなあ」と思っていました。

が、そこまででした。ぼんやりとデータが使えるようになった気がする程度。

今日のセミナーでプログラミングを学ぶメリットに言及があり「データフローの構成を自分で考えることができる」が良い言語化でしっくりきました。今後も使っていく予定です。

 

「データフローぐらいプログラミングできなくても分かる」って反論が来そうですが、0-100ではなく解像度の話です。

例えば「関数で参照し連携」なんて社会人にとっては当たり前に理解できることですが
エクセルを知らない人、例えば高校生やPC作業しない人に分かりますか。分からないですよね。そんなモヤモヤの状況で会社のデータマネジメントするの良くないですよね。

 

「エクセル?使ったことないんでよく分かんないっス。でもフローはイメージできてるんで大丈夫っス」って言われたらどうでしょう。不安でしかない。

そういうことです。

 

データフローを理解することの重要性

スタッフからマネージャーへ、マネージャーから経営層へ、ポジションが上がるにつれて視点も上げないといけない。

大きな視点で会社をマネジメントしたいと考えると、間違いなくデータの管理・活用が求められる。そして、データを管理・活用するためにはデジタルの知見が必要。

業績に影響を与えるデータは何か?

どうやってデータを取得すれば正確か?

どうデータをまとめれば効率が良いか?

そんなぼんやりとした問いに、大枠で答えのイメージを与えてくれるのがプログラミング知識。

 

「データ設計・管理で会社を変える」イメージがつかない方に、良い実例をご紹介(手前味噌ですが)。

“赤字から過去最高益へ。20代若手役員が牽引したマイネットの劇的ターンアラウンド、3つのポイントに迫る”

https://www.fastgrow.jp/articles/mynet-uehara-koide

 

最後に

タイトルに沿って”プログラミングがコーポレート業務に活きるのか”で答えを出すと

「まあ、多少は役に立つし、覚えておいて損はないよ」になってしまう。

そこで”コーポレート”や”業務”から一歩目線を上げてみる。短期的な成果でなく、長期的(そして大きな)な成果に焦点を当ててみる。

そうすれば「会社の基礎になるデータフローを知り設計するうえで土台になる大切な知識だから、活きる。学んでおくべき」になります。

 

セミナー内でも言及されていた話ですが、データフローの理解を目的にするのであれば
勉強の度合いとしては「簡単なプロダクト一つ作れればよい(ゴリゴリに書ける必要はない)」ですし

ありとあらゆる業務効率化を実現したいのであれば、ゴリゴリに書けるべきなのでしょうね。

 

ご自身が目指すところから逆算して、どの程度学ぶかを考えるのがよいです。

私は間違いなく前者です。