リーガル・レバレッジ

リーガル・レバレッジ

コンサルに転身した元企業法務パーソンが、自分の市場価値を上げようと模索する日々を綴ります。

コピライト 2017年8月号

現在、会社でBLJとコピライトを定期購読しています。

せっかく定期購読させてもらっているので、多少なりとも還元したいなと。

ということで、読みっぱなしというのはなんなので、届いたらさらっと感想を3点にまとめようと思った次第です。備忘という意味合いも含め。

 

1.知的財産推進計画2017の概要について

 まず、こんな計画があったということを始めて知ったのですが笑

 ざっくりというと、今後は大中小どの企業でも知財の活用は不可欠で、そのためには知財の創造・保護・活用の基盤となる知財制度を整えねばならんと。

 そこで、知財システムの構築、知財活用による地方創生とイノベーションや2020年までとその先を見据えたコンテンツ産業活性化を柱にしていく、という内容です。

 (http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku20170516.pdf

 

 一番興味があるのは「知財システムの構築」の、特にデータの利活用促進のための知財制度等の構築ですね。

 インターネットの発達に伴って、知財の保護というのはとっても難しくなっているわけです。もう当たり前のように行われてるYouTubeでのゲーム実況配信だって、無許諾で行えば公衆送信権(著23Ⅰ)を侵害し違法です。ですが、リーガルに関係ない人は「違法かも?」と疑問を持つところにすら至らないのがほとんどですよね。

 言ったらなんですが、こんな状況で罰則等を強化したところで状況が改善するとは思えません。ではどうすれば?というところでですが

 どうせ厳しくしたって勝手に使われるなら、利用条件(営利目的不可とか)を決めて大枠を作ってその範囲で使ってもらうのが一番望ましいと考えてますし、そういう流れになってきています。任天堂さんのCreators Programなんかはすごくステキだなーと思っております。

r.ncp.nintendo.net

 

 とはいえ、こんなばっちりとしたものを自作できる会社は限られているので、標準的な指針なんかを策定してもらえると事業者の方は助かるだろうなあと思うのです。

 

2.日本のアニメーション100年を振り返って

 日本動画協会・著作権委員の方が寄稿されている記事です。

 こちらも初めて知ったのですが、日本初のアニメが公開は1917年@浅草だそうです。

 内容についてですが、アニメ作品に関する利用許諾について実務的な点がたくさん紹介されています。一次利用と二次利用を区別する必要性、出資された金銭の扱いなどなど。契約書見たりする際に一般的な条件を知っているのは凄く大事ですので、もし今後お仕事をすることがあれば参考にさせていただきたいなと。今のところそんな予定はありませんが笑

 映画と同じで、アニメだって多数の人が製作に携わるんだから権利処理大事ですね。制作委員会とかが絡んでくるとややこしいな...

 

3.コピライトビギナー

 今回は建築・設計図の著作物について。前々号の言語、前号の地図に引き続き、著作物性が否定される傾向強いシリーズ。

 10条1項6項に「図面」と例示されているので、図面である設計図は含まれそうですね。とはいうものの、言語も地図もですが、極めて実用的な表現に対して不用意に著作権法による保護を与えるのは妥当ではありません

 では、どういう図面が保護対象となると判例は判断しているのでしょうか...というお話です。小坂先生が大変コンパクトにまとめていらっしゃるので、あまり引っ張ってくるのはよろしくないのでこれ以上は書けません笑

 気になった方は是非購読してみてくださいませ~