法務ネタと資格試験に関する記録帳

関西、IT系ベンチャーで法務やってます。 Adventカレンダー登録を期に新アカウント作成・ブログ開設しました。

BLJ 2017年10月号

届いたので読む。いつもどおり気になった3点の感想。

 

1.誹謗中傷・炎上への対応実務

 誹謗中傷への対応は北岡先生(@h_kitaoka)が執筆されています。

 ちょうどトレンドの話題ですね。

 

www.bengo4.com

 

 内容を発見しましたが、削除/発信者開示請求の要件や具体的な対応方法がまとまっておりこれは便利...!

 取りうる各手段(目的に対して効果的なアプローチ)をどういう基準で選べばよいか、メディアごとの特性(請求に当たっての注意点)など、実務的な視点も満載です。

 退職者からの評価というのは必然的に厳しくなりがちで、求職者に対して影響力のあるサイトに自社の酷評が掲載されるというのは人事にとって気になるところ。

 実際にそういう相談も受けたことがあるので、いざ必要だなーってなったときに使いたい、という個人メモ含み。

 

 ちなにみ当社の場合というのは

 「うわー、これ多分●●さんだけどキッツいこと書いてるぅー!でも指摘されてる会社の悪いところは当たってるねー!」という感じで収束したのでした。ベンチャーってフランクなのさ。

 ちゃんちゃん。

 

2.法務部門における品質確保・向上の方法論

 今回の連載は、法務業務をいかに「標準化」するかというお話。

 頭を悩ませてる方も多いと思われるこのトピック。専門性が高い業務とはいえ、人によってアウトプットがぜんぜん違うようでは困る。でもマニュアルや雛形で全部確実に網羅するのは無理。じゃあマネージャー的な人が全部に眼を通すかといわれるとそんなの余計無理...と、行ったり来たりでそもそも問題点の整理もできていない状況に陥りがち。

 個人的な感想ですが、法務業務が標準化しにくいのは、業務の専門性に加えて「人」の問題があると考えています。

 担当者にとって、業務を標準化するインセンティブって何でしょうか?

 標準化されて自分の業務をできる人が増えました。自分の仕事は自分にしかできないはずだったのに。「●●君だけが頼りだね!」なんてセリフはもう聞けなさそうです。

 標準化されて自分の業務をできる人が増えました。普段から業務に関するインプットを頑張り、本来難しいはずの業務を整理して簡単にしてノウハウを共有した結果、自分がいなくても当該業務は円滑に回るようになりました。

 特定の人に業務が依存するのは会社としては避けたいことですが、労働者側からすれば極力狙っていきたい状態です。仮に給与交渉をする場合、自分がやめれば滞る業務があるというのは相当に強いカードですよね。

 そんな強いカードを自分から手放す理由って何なのでしょうか?

 

 こんな感じで、担当者にとって「業務を標準化する」ことのインセンティブって一見見当たらないのです。そりゃ誰も標準化に協力も注力もしてくれないよっていう。

 前職に、プライド富士山全部自分で抱えまくりでパンクしているけど死んでも仕事離さないマンがいました。

 なぜ仕事を他に渡さないのか当時は疑問で仕方ありませんでしたが、ある程度中心的な位置づけを任せられた今は彼の気持ちが分かります。

 何もしなければ自分の地位は安泰です。なのに、大したメリットもないどころか、お払い箱になるリスクを抱えてまで自分の仕事のノウハウは人に渡したくないのです。

 狡兎死して走狗烹らる。飛鳥尽きて良弓蔵る。誰だって煮られるのも死蔵させられるのも嫌でしょう。

 

 なので、今自分も全然標準化には手をつけていない...

 なんてことはなく、絶賛標準化推進中なのです。

 それはなぜか?というと話が逸れてきますのでまた今度。

 

3.企業法務系ブロガーによる辛口法律書レビュー

 ronnor先生(@ahowota)ご執筆の恒例コーナー。今回は改正民法(債権法)のブックレビューです。

 まずは概要を見渡したい人(頭に地図を作りたい)向けの本、入門は終わってもっと理解を深めたい方向けの本と、フェーズごとに分けてオススメ本が記載されています。注釈のコメントでぽつぽつと辛いコメントが存在感を利かせてますね笑

 概要把握用に、私はとりあえず高須先生の「Q&Aポイント整理 改正債権法」と、潮見先生の「民法(債権関係)改正法の概要」でも読もうかなと。

 きちんとした読み込みは、立法担当者の方が書いた書籍が出るまで待ちます。

 最近葉玉先生の本の良さを再実感しているので、立法担当者の方の書籍信仰が強まっているのです笑

 学者本と立案担当者解説との乖離につき、経文緯武‏ (@keibunibu)さんのコメント が参考になりますのでご紹介です。