リーガル・レバレッジ

リーガル・レバレッジ

企業法務スタッフが自分の市場価値を上げようと模索する日々を綴ります。

法務キャリアを始める皆さんに贈る コスト0円の必読法務研修資料

かれこれ6年も前の今頃、私も皆さんと同じように法務としてのキャリアを歩み始めることになりました。

司法試験にチャレンジしようとする意気込みがあったわけでもなく、学部時代にたいして勉強していたわけでもなく、法務に関係するインターンに通ったわけでもなく。当然といえば当然なのですが、そんな私が入社すぐにバリバリ活躍できるほど甘い世界ではありませんでした。怒られ凹む日々が続きます。

とはいえ流石に「最近の若い奴は」「これだからゆとりは」と理不尽な怒られ方をして何も思わない私ではありません。理不尽に怒られるたびにいびつな思いを募らていました。「いつか自分に後輩ができたら同じように怒ってストレスを発散してやろう」と。

そして時は経ち、会社に新人は増えそれなりに後輩を抱える年齢となりました。しかし誤算があったのです。

 

なんか最近の若い人すごくしっかりしてない???

 

これは困りました。新卒くらいの年代だった自分と比べて今の新卒さんたちがとてもしっかりしているように見えるのです。むやみに上げ足をとって理不尽な怒り方をすれば、自分の株を下げるだけという結果になってしまいます。振り上げた拳はどこで下ろせばいいのでしょう。私の自尊心はどうして守ればいいのでしょう。

 

そこで思いつきました。

ブログで新人さん向けにお役立ち風の記事を書けば法務での先輩感を出せるのでは…!

そんな思いでこの記事を書きました。

 

 

…なんの話やねん。長い前置き失礼しました。それでは本題に入りましょう。

 

これを見ていただいている皆さん、新人法務ということは新社会人であると推察します。となると学生や修習生で稼ぎにくい立場だった上に、就活や卒業イベントで財布が寂しいことになっているのではないでしょうか。正確かどうか分からない情報をインプットしたくない、法務に関する書籍で事前予習したいけどお金がない、という悩みを抱えてらっしゃることと思います。

そんな人のニーズにお応えしようということで、私が今までに見た無料の法務系読み物の中で「これは本当に役に立ったなー」と感銘を受けたものを3つピックアップしました。

どう考えても無料で得られるクオリティを超えているものばかりです。ご活用くださいませ。

 

3っつピックアップしましたが、1→2→3の順で見ていただくのことオススメします。

大まかな内容として
1.法に携わる社会人として
2.法務パーソンとして
3.契約書の条項やポイント解説
と総論から各論の並びになっています。業務として役に立つ可能性が高い順位で見ていくほうが効率よいですからね。

それではどうぞー

 

1.新人・若手弁護士向け メモ(大西洋一先生)

 

言わずと知れた大西先生の新人向け心得帳。記事自体はかなり前(3年くらい...?あやふやです)に作成されたものですが、初めて読んだ時にとても感銘を受けてその後数え切れないほど読み返している記事。いまだに良くアクセスされているとのことですが、それも当然だと思える素晴らしい内容です。

「弁護士向け」ってなってますが、無資格の法務担当者でも全く問題なく流用可能です。「ボス」を「上司」に脳内で置き換えたり、クライアントの取り方は相談してくれる部署からどうやって気軽に依頼してもらえばいいかなど、適宜脳内変換しながら読みましょう。

挨拶や身だしなみなどの社会人的なことに始まり、業務の処理やスケジュール感など基本的なことが全て詰まっています。基本的なことを解説しておられるのですが、基本的であるがゆえに大事なことばかりです。

基本的なことを解説する記事や本というのは得てして抽象論や理由付けが薄いものが多いですが、その点本記事では

2 自分の外見や雰囲気に注意を払おう

弁護士に相談に行くなら、やっぱり出てくる弁護士は弁護士らしくあってほしいのではないだろうか。医師の白衣効果は弁護士にも該当するのではないか?

美輪明宏やマツコデラックスはなぜあのような服装をしているのか?

8 チャンスが来ないのはボスへのアピール不足

ボスはランダム配点のようで、その人の能力や人柄を見ている。やりたい事件はやりたいと言う。

「いつまで経ってもショボい案件ばかり配点される」「自分には難しい重い事件を任されてキツい」→どちらもよく聞く勤務弁護士の愚痴ではあるが、おそらく、前者の愚痴を言う弁護士はボスから評価されておらず、後者の愚痴を言うタイプは自分が思っているよりボスから評価されているのだと思う。

 といったように、具体的にどうやって実務で使うかということや、単なる精神論ではない納得感のある説明をされています。書いてあることを取りあえずやってみるのはとても大事なことですが、心から納得しながら手を動かすとよりステキです。

書いてあることを是非実践してください。何度も読み返してください。後悔しないと思いますよ!

 

2.#新人法務パーソンへ(ronnor先生)

ronnor先生が#新人法務パーソンへ というハッシュタグをつけて、新人法務の方々に向けて有益な内容を呟いていらっしゃいます。最初のつぶやきは2015年4月とこちらもかなりの長編で、発信されるたびに多くのエンゲージメントがつく人気シリーズとなっています。

基本的で大事なことばかりなのは大西先生の記事と同じなのですが、より法務領域に踏み込んだアドバイスとなっているので業務のイメージもつきやすいかと思います。私が特に好きなものをピックアップしていきますと

 

いやあ、あるあるですねぇ(遠い目をしながら)。これを守れずに、例えばビジネスで解決すべき話をムリクリリーガル的に解決しようとしたりすると、手をつけた仕事が全部無駄になるんで大変なんですよねぇ(哀しい目をしながら)。

 

カッコよく言うと「判例の射程を見極めろ」ってやつなんですかね。今の案件で使うのに適切な根拠かどうかを頭使って判断しろ、っていうだけの話なんですがそれがなかなかに難しい。

ちなみにですが、むやみやたらに「判例ガー、判例ガー」って言うと煙たがられますよ。自分のやらかし経験談じゃないですけどね笑

 

新人だろうがそうでなかろうが、基本的に自分のアウトプットがノーチェックで外に出るということはありません。直属の指導役なりマネージャーなりのチェックが入るのが普通です。

ではそのことを考慮すると、自分はいつまでに仕事を仕上げる必要があるのでしょうか。少なくとも期日当日にマネージャーに見てもらうのはヤバそうですね。

では上司に見てもらうのはいつぐらいが良いと思います?

答えは大西先生の記事やronnor先生のツイートに。

 

ちなみにこちら番外編

 

たまにですが、行頭の整理とかをインデント機能使わずに全て半角全角スペースで調整する職人がいます。

修正したり手を入れるの大変だからやめてくださいね!早いうちに作法を身につけておきましょう。

 

3.contract-manuals(@kataxさん)

最後はkataxさんの「contract-manuals」です。プログラムのコード管理ツールとしてよく使われるGitHubで、契約書でよく使う条項やポイントをまとめていらしゃいます。プロフ画像のねこさんがかわいい。

私もつい最近知ったのですが、いやーもっと早くに気づきたかったなと。〜の場合に使う条項、〜の契約で見るポイントはここ、といった感じでとても使いやすくまとめられています。変な契約書条項本買うより間違いなくこちらが役に立ちます。プロフ画像のねこさんがかわいい。

terms(条項集)は契約書を実践で見てからでないと頭に入ってこないと思うので、checkpointやstyleguideあたりを見ておくとイメージしやすいかなと。やっちゃいけないこと、極力やったほうが良いことなど温度感も記載されていますので、お作法なのか仕事に害が出かねないことなのかという区別もつきやすい整理がされています。ステキ。

オープンソース的に開放してらっしゃるので、良いなと思った条項があれば積極的にプルリク(追加依頼)してみてはいかがでしょうか。実験兼ねて私もちょこっとだけ追加依頼かけてみました。編集が反映されるには承認がいるので、ダメだったら蹴ってもらえば良いというのは心強いですね笑

 

GitHubの使い方がわからない?

大丈夫!私もあんまり分かってません!

使いながら考えましょう。使いながら調べましょう。それが一番の近道ってもんですよ。

 

〜おわりに〜

以上、私がオススメする新人向け0円研修資料でした。一読しただけではそんなに頭に入ってこないですし、何より頭に入ることと実践できることは別物です。言うまでもないですけどね。

さらっと読んで、本格的に仕事が始まったらまた読んで、行き詰まったらまた読んで、と何度も繰り返し読んでいただくと効果が高いかなーと。

 

それでは、新生活頑張ってください!

法務職嫌がる人も多いけど、色々分かってくると楽しさややりがいも感じられるようになります。
最初は我慢になるでしょうけど慣れるまで頑張ってくださいね〜