リーガル・レバレッジ

リーガル・レバレッジ

コンサルに転身した元企業法務パーソンが、自分の市場価値を上げようと模索する日々を綴ります。

リーガル×PowerPointシリーズ 改正会社法の解説

「契約書とか法律相談への回答とか、成果物を作ったはいいけど現場の人たちが読んでくれない」な悩みを抱えている法務パーソン、多いなと感じてます。

解決策として「スライドで作ったらいいんじゃね?」との案までは出るものの、実際にパワポを使う法務パーソンはほぼいない、とも感じています。

 

そんな問題意識があり、また自分としては「間違いなくパワポで表現した方がよい」との意見です。口ばっかり動かして評論しててもしょうがないので、自分で法律的な話をパワポ表現してみました。ツイッターでドラフト公開したら好評だったので、完成させてブログにアップします。

それではさっそくどうぞ。

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自社特有の話を公開できるわけがなく、かといって無関係なテーマを選ぶと作りが雑になりそうで嫌だったのですが、改正法をテーマにすれば良いじゃないかと。法務へ戻るキャッチアップも兼ねられますし。ちょうど会社法が改正された直後くらいのタイミングなので、興味持ってもらえる人も多そうですからね。

感想やご意見あればお待ちしています。

(間違っているよ系があればぜひともこっそり教えてください...)

NDAと具体と抽象と

「秘密保持契約は、『大事な情報をきちんと扱ってね』っていう契約だよ」と説明すれば上手く分かってもらえた、という話をします。

 

レビューではなく説明

最初の一杯はビールだよね、くらいの感覚で取り交わされることも多いNDA。打合せするんだから取り合えずやっときますか的なテンションで作ることもあり、どの会社も法務にレビュー依頼が来るランキングで上位にランクインしていることかと思います。

 

では「秘密保持契約書とは何かを説明して」と言われたら、ぱっと出てきますか?

意外に出てこないか、具体的な条項の話をしてしまって空回りあたりになるのかなと。

 

最近のNDAトーク

転職直前といえば溜まった有給休暇消化によるバケーションです。正直全く消化しきれてないのですが、数少ない一日を有給にして日帰りで友人(法学部出身、非法務)とぶらぶらしました。

その際に雑談レベルでNDAの話になり運用の方針などについて相談されたのですが、どうも話が理解されていないと違和感がありました。定義や秘密保持義務が~、みたいな話が上滑りしていると感じました。

 

こういった自分の話が空回りしているときの悪いパターンはだいたい

「全体感が話せていない」

「テーマ同士の繋がりが示せていない」

いずれかです。(要するに、具体に入りすぎて個別論のことばっかり話している)

そこで、思い切って一番抽象的なレベルで表現してみました。

 

私「そもそもね、秘密保持契約は、『大事な情報をきちんと扱ってね』っていう契約でね」

友「なるほど」

私「大事な情報とは何か(定義)がここに、大事な情報はどう扱ってほしいか(情報の取り扱い)がここに書いてあるのよ」

友「おーそういうこと。じゃあ、相手からもらう情報が定義にあたるか、あたるとしたらどう扱うかを考えなきゃいけないということか」

私「そうそうー」

(友人からの積極的なリアクションがあったので、ここで「理解した」とデータ算入します)

 

説明の順番と抽象度の選択

「抽象から具体へ」は説明の際の鉄則ではありますが、改めて身をもって感じた次第です(ロジカルであることとも繋がる話です)。

 

また「秘密保持契約書は秘密を保持してもらうための契約書だよ」では抽象に振れ過ぎて分かりません(抽象化というか単なる言い換えな気もします)。

相手の理解度に応じてどの抽象レベルを使うかのチョイスあたりは、本業で契約書を見ている人の腕の見せ所なのでしょう。

 

 

たくさんレビューしているだけでは説明できるようにはならないので、日常から抽象と具体の行ったり来たりや言語化することが大事であると実感できたイベントでした。

事業部が自分たちを理解てくれないと怒る前に、伝え方を工夫してみるのも一手かもしれませんね。

転職エントリー(2021年)

2021年3月31日をもって、今のお仕事を辞めることになりました。管理部門から事業部門への転身を目指して頑張った約3年。経緯やきっかけを残しておこうと思い、筆を取りました。

 

転職前の状況を簡単に振り返ると

・新卒メーカーで次にゲーム会社。中身はずっと法務で7年(マーケティングや新規事業開発がオマケ的に混在)

・無資格法務の先行き不安と、部署柄経営課題が集まる一方でリーガル課題以外は何も解決できない自分の無力感を感じており

・たまたま、本当にたまたま良いタイミングで募集のあったコンサルティングファームの求人にマッチし、初のビジネスサイドへ

って流れでした。

法務にコンサル的な話題を絡めてTwitterしてる人、くらいの認知はしてもらっているのかなと思っています。

 

たまたまとはいえ、きちんとしたファームでコンサルを始められたことへの幸運と、管理部門しか経験したことのない自分のキャリアにおける大きな転換点を迎えられた高揚感に包まれていたところです。

 

もっともそんなポジティブな気持ちは長続きしませんでした。

プロジェクト内の情報を詳細に話せるわけがないので、抽象的に表現しますが

「分からない。何を聞けばよいか分からない。自分が何を分かってないのかすらも分からない」

なんてドツボみたいな状況でした。事務職→企画職の圧倒的な壁が立ちはだかります。

よくやめずに続けたものだと感心します。

 

ここで本当にラッキーだったのが、もうやめよっかなーと心が折れそうなタイミングで家族が増えたり、プロジェクトに恵まれたりしました。法務→コンサルに転身した先人の方々からTwitterで励ましのお言葉を頂いたのも心が救われました。ありがとうございました...!

 

不思議なもので、続けていると見えなかったものが見えるようになりました。自分に足りない知見はもちろん、仕事への向き合い方、アピールの仕方などなど。

(挽回に向けての頑張りはkataxにインタビューしてもらったこちらhttp://katax.blog.jp/archives/52826554.htmlを見てもらえると嬉しいです)

入社当初と比べてかなりマシになったアウトプットを見て「もしかして、ちょっと伸びてる?」なんて感覚を掴み始めます。辛いだけだった仕事が少し楽しくなったフェーズです。

 

印象的だったのが、たまたま入った自分に縁もゆかりもないプロジェクトでの話です。

馴染みのない分野であるにもかかわらず、提案した分析や施策立案のアイデアになかなか良いフィードバックがもらえました。

「基本的な考え方・進め方はバッチリだから、アドバイスはプラスαの部分にしておくね」と。

 

この言葉を聞いて「ああようやくスタートラインに立てたな」としみじみ噛み締めたものです。結論だけでなく思考のプロセスまで合っているのであれば、一定程度偶然ではない実力と言ってもよいでしょう。忘れられない一瞬でした。シニアな人から見たら大した話ではないんですけどね。

 

もちろん「スタートライン」と表現したとおり、ちょっとしたアイデアや提案が当たったからといって「デキる人」ではありません。ので、ここから頑張っていくぞ!結果に拘るよ!!

 

...どうやって?

と次の壁が立ちはだかりました。

 

折角なので周囲のハイパフォーマーを分析してみましょう。それぞれに明確に共通している部分がありました。

明確な武器(この分野といえば〇〇さんだね、と評価してもらえる強み)があり、武器が事務所のニーズに合致していることでした。

 

別にそんな難しい話ではなく、獲得できるプロジェクトに活かせる強みがあるかどうか、ぐらいの話で認識してもらえれば十分です。大型の案件が取れればPMOは重宝されますし、会計系のプロジェクトであれば会計に強い人が重宝される、そんな当たり前の話。

 

結局最後までこの部分が解決せず、色々なプロジェクトに携われて良い経験になりました、なよくある凡庸な状態が続きます。

 

昇格できないと本当にお給料上がらないのなと感心しました。そういう世界だと分かって入ってるので不満はないのですが、漫然と続けるには厳しく。

 

「これからどう闘っていくかなあ」

「前職戻ろうかなあ」

「いやでもここは耐えどころかなあ」

 

なんて考えを巡らせていたのが、2020年末から2021年の頭くらいです。

とはいえこんなご時世なので積極的に転職活動はすることなく、プロジェクトが一区切りするまで頑張ろうか(区切りがついてから考えればいいや)と決めてせかせかと働いていたところで、次の会社と出会います。

 

ゲーム会社で、コンサル経験のバックグラウンドが活かせそうでと、なんだか出来すぎた巡り合わせだと思いつつ。とってもいいチャンスだったのでオファーを受けることにしました。

 

 

とまあ、こんな感じです。

 

転職エントリーでよくある

「やり切りました。もう思い残すことはありません」みたいな話では全然なく、ダサく言えば逃げの転職、かっこよく言えば戦略的撤退です。

 

次こそは結果にこだわらないとと思っており、まずは法務からスタートします。

コンサル経験が良い経験になったのは間違いなく、法務のお仕事に良い形で還元できたらなと考えてます。ようやくブログタイトルに相応しい中身が書けそうな気がします。多分

 

それでは、引き続きどうぞよろしくお願いします!

 

 

DX推進から逆算してセキュリティのお勉強を始めました

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なんで今さら?と思われるかもしれませんが、セキュリティのお勉強を始めました。流行りのDXやリーガルテック導入のために避けては通れない道だなあと思ったことがきっかけなのですが、ちょっと詳細めに経緯を書いてみます。

(以降、リーガルテック導入もまとめてDX推進と書きます)

 

セキュリティ分野への入り口

実を言うとセキュリティは好きでもなければ得意な分野でもありませんでした。重点的に勉強した覚えがないくらい。

そんな中でセキュリティ避けては通れないと考えるに至ったきっかけはClubhouseでした。

はっしーさんの告知が面白そうで、DX推進できるようになりたい自分の課題ともぴったりだなと思って視聴。

 

Clubhouseでの会話内容をベラベラ公開するのはご法度なので、話を聞いて私が得られた気付きを書きます。

DX推進において大事なことは

①業務プロセスに関する知見

②セキュリティに関する知見

③関連部署を動かしてプロジェクトを推進できるスキル(PMO)

と整理したのでした。

 

DXに向けたセキュリティの重要性

上記、最前線でバリバリ動く実務者の方がお話ししていた&類似プロジェクトを経験した自分の感覚とも一致するところで、大外れはしてない思います。

 

また、特に最近セキュリティが重点検討ポイントになってる話はよく聞きます。セキュリティ銘柄の株価も良い調子ですね。

 

データの重要性が高まればセキュリティへの熱も上昇することを考えると、当面の間は重要視され続けるのだろうなと。システムであれSaaSであれ導入にあたってセキュリティの検討はマストになりそうです。

なのに「セキュリティよく分かりません」では話が止まってしまいます。そんな事態は避けたいなーと。

 

自分の課題感・今後やるべきこと

業務プロセス知見については培ったものがあり、①はまあ大丈夫だと仮置き(仕事しないと分からないことも多いし)。一方で、②のセキュリティ知見が足りておらず良くないなと危機感を持ちました。いやきちんと勉強したことないので当たり前なのですが。

あと、③PMO用の共通言語も自分に欠けており伸ばす必要を感じました。情報システムの人と良いコミュニケーション取らないといけないので、単語学習的な感じですね。こちらはオマケですが学んでおいて損はないでしょう。

 

「さーて目的は明確になったけど何すればいいかなー」と悩んだらどうするか?

 

そう、頼れる優しい知見者がいっぱいいるTwitterでヘルプを求めれば良いのですよね。

 

セキュリティ分野といえばこの方、なお人から頂いたアドバイスを参考にセキュリティマネジメント試験の勉強を始めました。

テキスト過去問クルクルしつつ一発合格目指して頑張ります。

 

事業会社の人みたいなことを書いてる理由

「コンサルぶってたくせにやけに事業会社の中の人みたいなこと書くなー」と感じたあなた、鋭いです。会社変わります。コンサルはここまでで、次は事業会社です。

法務だったり法務じゃなかったりするとってもオモロい良いオファーをいただいちゃいました。長年の夢も叶いそうです。

 

次、転職の話書きます。

ではまた。

転職3年目の2020年は(も)しんどい年でした という話

明けましておめでとうございます。早いものでもう1月1日なのですね。昨年はお疲れさまでした。今年もよろしくお願いします。

 

法務系アドベントカレンダー2020や皆さんの振り返り記事を読んでいると、久しぶりに筆を取りたくなりました。
(書くが書くを生むこのサイクルは本当にステキだと思います)
苦境を脱したのも束の間...みたいな話です。

 

2020年は、転職で法務を抜けてコンサルにジョブチェンして3年目の年でした。

1年目は、自信満々に転職してきたのに何もできず苦しいだけの日々でした。2年目は、ちょっとだけ要領が掴めて光が差して頑張ろうという気になれました。

動き方が分かり、動きに伴って結果が出始めて良い3年目...になるはずだったのですが、穴がありました。働き方問題武器の不在に苦しめられることになります。

 

働き方問題は、コロナによる在宅勤務と0歳児さんの話です。家の構造上分けて活動することはできなかったのが痛かったのですが...。

オチビさんと同じ空間で仕事するのは不可能に近いと感じました。点灯する電源ボタンを常に狙ってくるハンターと隣り合わせで集中して仕事なんてできるはずもありません。(お願いだから電源ボタンだけはやめて)

一日タイトにスケジュール詰まってるのに、夜泣きで夜に3回たたき起こされて朝7時時点で残りHP25%からスタート、みたいな日々は思い出すだけでもキツいものがありました。

あまりにしんどすぎて、ブログどころかツイートする140字が浮かばないのは深刻だなあと自分のTLを眺めて嘆いていたのを覚えています。今後同じ職場で子供が生まれた人には優しくしてあげようと誓いました。想像すると体験するは違いますね。

長い家選定と引っ越しによりWithコロナ&問題は解決したのですが、次に仕事面の問題(武器の不在)がありました。

 

武器の不在というのは読んでそのままで。平均的なレベルに達してよかったね、と満足させてもらえる環境ではなく、何かしら目立つ結果を残すことが求められる組織です。会社の注力領域と自分と得意分野が重ならない自分はどうしたものかなあと、壁に当たり倒しています。

もう30も超えて転職から3年が経っていることもあり「未経験のプロジェクトにアサインされて視野が広がりました」なんて悠長なことを言っている余裕はないのですよね。結果って大事だなあと心から感じる日々なのに、ここなら誰にも負けないぞと言える領域が見つからない(見つけられる気配もない)ギャップに苦しんでいます。

 

と、苦しかったなあとはつくづく思うのですが、手に入った知見や感じた手応えも多々あり、今思い返しても転職は良い決断だったなと感じています。

ドキュメンテーションや数値化などスキルやテクニックの話はもちろん、マインドの部分から大きく改善してもらえました。参考になる人が多いのはステキなことです。有名な企業に入る最大のメリットは優秀な同僚に囲まれることだと改めて思いました。

 

 

Twitter経由で、ステキな方とお話をさせてもらう時があります。Twitterは本当に良いツールだと思います。

自分の経歴や考えを話すと「面白い経験ができている」「~活躍できそう」というとても嬉しいお言葉を頂くことがあり、自分の選んでいる道は間違いではなかったと救われた気分になりました。発信することとお話を聞いてくれる人の大事さを噛み締めた一年にもなりました。

 

環境を変えるタイミングが来ているのかなとは薄々感じており、実際そのための準備も少しづつ始めているところです。長い目で考えているので来月どうのこうのという話ではありませんが、準備は早めにしておくに越したことはないので、ちょっとづつ。

 

先を見据えても今の仕事に手を抜かないようにだけは気を付けながら、ステキな選択ができるように頑張りましょう。今年もよろしくお願いします。