管理部門はつらいよ ～キャリアの幅が狭いということ～
「これだから管理部門で働くのは嫌なんだよ」と呟いてしまいました。
管理部門出身の人間とってなかなかショッキングなニュースが飛び込んできました。下記リンクをご覧ください。
要約すると
・富士通さんが総務や経理などの間接部門所属者を対象に5000人ほど
・営業やエンジニアに配置転換し
・配置転換後の職種に合わない場合は転職支援制度の提案もありうる
ということでした。
この記事を見て「ジョブローテーションの機会を与えてくれるんだー良いなー」なんて思う暢気すぎる人はいないと思いますが、普通に考えれば人員整理の一環としての配置転換でしょう。管理部門の人間が十中八九不慣れであろう営業やエンジニアに職種転換するというの、極めて重たい話です。
スタッフからマネージャー・マネージャーから経営層へのキャリアパスは断絶してる、とよく言われます。要するに良いスタッフは良いマネージャーとは限らないし、良いマネージャーは良い経営者とは限らないということですね。同じ職種の中でもランクがが違えば求められる能力とはがらっと変わるので。野球でいうと名プレーヤーだった金本監督や高橋由伸監督が監督業に苦しんだようなものでしょうか。
同じ職種の中ですらフェーズが変わればとても大きな苦労をするのです。それが違う職種、よりによって管理部門と馴染みのない営業やエンジニアになるということは、限りなく難しいミッションなのは想像するに難しくありません。
職種を変える良い機会だと前向きに頑張ればいい？これをチャンスだと思って頑張れるようなエネルギッシュな人は、そもそも最初から営業をやっているか、既に管理部門ではなく違う前線部隊等に移っているでしょうね。世の中そんな強い人ばっかりではないのですよ。
いやーさすが法務は頼りになるなぁ！
なんて日ごろはおだてられていたとしても、いざ追い詰められれば真っ先に標的になって整理対象となるのは間接部門であり、法務だってその例外ではありません。だってどれだけ優秀でもお金は稼げないもの。
来月からエンジニアね、来季から営業やってもらうから、って言われてあなたならどうしますか？
私ならやったーとときめいていたことでしょう。でも、それはたまたまキャリアチェンジや転職が容易な年齢で売り手市場が重なっていたと言う幸運に恵まれただけの話です。たまたまキャリアチェンジしたい、特に営業やエンジニアになりたいと思た気まぐれが重なっただけです。そんなラッキーや気まぐれが重なることに賭けるのは下策極まりないですね。
普通に考えると人生有数のピンチです。ある程度の年齢やポジションがある人ならなおさらのことでしょう。
管理部門オンリーでキャリアを過ごすって凄い危険だと思いませんか？自分の身に降りかかる確率が低い話でもありません。配置転換に関して会社に極めて広範な裁量が与えられている以上、どの会社でもこのニュースと同じようなことが起こりうります。
自分が法務をやめて事業部寄りのところに移ったからマウンティングしてるつもりはありません。客観的に見て管理部門だけでキャリアを積むと言うのはオススメできないですし、それを承知の上で管理部門に集中するのであれば何かしらリスクヘッジをしておくべき、というのが言いたいことです。もう何度参照させていただいたかは分かりませんが、無資格法務のキャリアパスについてを読むなりなんなりして、今後のキャリアについて考えるのはマストでしょう。
（予備試験からの弁護士取ってCLOやいざとなったらささっと辞めて独立、なんてプランを考えたのですが、なんだかそれはそれでリスクが高い話でヘッジになってるのかよというのは自分で書いてて思いました）
誤解のないように言っておきますが富士通さんを批判する気は毛頭ありません。そもそも上記配置転換の意図は推測ですし、仮に推測が当たっていたとしても普通は間接部門から整理しますからね。人員整理しようぜとなった時、お金を生み出さない間接部門を残して営業部内やエンジニアを削ろうなんていうのはあまりにも不合理な決定というのは言うまでもないことで。
それでは最後にもう一言だけ
これだから管理部門で働くのは嫌なんだよな
番外編
もし他職種への配置転換を勧められて困っている＆エンジニアをやっていいと思ってる方がいるのでしたら、Progateから始めてみてはいかがでしょうか。継続的な自己学習ができれば伸びるという点・構造化して文章（コード）を書く点など、法務とエンジニアは共通点は多く、超絶売り手市場でおちんぎんも上々です。チャレンジしてみる価値はあると思います。Progateについては以前書いたこちらの記事をご参考に。
